論文を書くには その5
英語論文が書けないのは英語の問題だけじゃないです。
「英語がちょっと苦手」という人が多いですが、「じゃあ日本語で論文を書いてごらん」といって書けることは殆どありません。これは語学力の問題ではないことを示していると思います。
あれこれ考えて筆が進まないくらいなら、めちゃくちゃであっても、まず書くことをおすすめしています。
日本語で執筆、そしてグーグル翻訳で英文に変換し、英文校正をかけて直していく方がよっぽど良いでしょう。
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この記事は、読者の方が論文初心者であることを前提にしていますので、いささか乱暴な言い方ですが、まず書いてください。最初に書いた原稿は、下書きと言えるようなレベルではなく、落書きみたいなモノに感じるかもしれません。しかし、書いているうちに自然とうまくなるのです。
では、実際、どのくらいの量の論文を書けばいいのかといわれることが多いですが、よい質問です。自分が参考にした文献のMaterial & Method、Resultなどの各パートの文字数を数えてみてください。まずは、それらと同じくらい書きましょう。直す素材がない場合には指導もできないので、まず書くことをおすすめしています。
英語を勉強してから書きますはNGです。
よく「英語を勉強してから書きます」という方がいますが、止めた方が良いかもしれません。もちろん、基本的な会話なら慣れでできるようになりますが、英語論文を書くのであれば、英語で論文を書く練習をしないと書けるようになりません。書くことが練習です。
もちろん、人によって到達できるレベルは違うと思いますが、本記事を読んでいる方は「英語がちょっと苦手」と言う人でしょうから、まずは書くことがレベルアップに繋がると思います。
それでも参考になるものが欲しい方のために・・
それでも参考になるモノが欲しいという方もいるでしょう。その気持ちは痛いほど分かります。そこで、おすすめの書籍を紹介します。
<論文執筆におすすめできる書籍5選>
1)アクセプト率をグッとアップさせるネイティブ発想の医学英語論文
プロ翻訳家が伝えたい50の基本動詞と読めるのに書けない英語表(前平 謙二 著)
アクセプト率をグッとアップさせるネイティブ発想の医学英語論文: プロ翻訳家が伝えたい50の基本動詞と読めるのに書けない英語表現
- 作者: 前平謙二
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英語で読むときも、書くときも役に立ちます。英語と日本語の違いがあるという前提で、英語のまま理解しようと言う発想の本です。読み込みと引き出しが増えます。
2)必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則(康永 秀生 著)
- 作者: 康永秀生
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「書かなければ何も残らない」。この一言がすべてです。
3)英文校正会社が教える英語論文のミス 分野別強化編(エディテージ 著、熊沢 美穂子 訳)
- 作者: エディテージ,熊沢美穂子
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英語論文の基本が書かれています。医学英語には、P238-253の「症例報告のミス」が役に立ちます。「査読者のミス」も読む価値ありです。
4)英文校正会社が教える英語論文のミス100(エディテージ 著、熊沢 美穂子 訳)
- 作者: エディテージ,熊沢美穂子
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P184の「略していないFigureの後にピリオドは不要」といった事は、知っていればなんてことないですが、知らないと分からないです。
5)時間がなくても,お金がなくても,英語が苦手でも,論文を書く技法―臨床医による臨床医のための3Step論文作成術(木下 晃吉 著)
時間がなくても、お金がなくても、英語が苦手でも、論文を書く技法―臨床医による臨床医のための3Step論文作成術
- 作者: 木下晃吉
- 出版社/メーカー: 中外医学社
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「あきらめないこと」「成功する人は成功するまで諦めなかった」。これらの言葉が心に響きました。
どれも素敵な書籍で何回も読みましたが、読んでも論文は書けるようになりません。自分で書くしかないと思っています。
今回のまとめ
1)むちゃくちゃでいいからまずは書こう
2)素材があれば直すこともできるし、英文校正を入れることができる
3)英語の勉強をするなら論文を書きながら並行すべし
(m3参照)