論文を書くには その2

論文の構成で大切なことは読み手の目線です。

まず論文は概ね以下の8要素で、構成されています。

 ◆論文の要素

  1.Abstract

  2.Introduction

  3.Materials and Methods

  4.Results

  5.Discussion

  6.References

  7.Tables

  8.Figures

もちろん投稿予定の論文の形式が各々のHPで公表されているので、それをじっくり読んで、形を合わせて、字数を守って作成する必要があります。

 症例報告の場合には、Materials and MethodsとResultsが、Case Presentationという形がほとんどです。(もっと短いClinical ImagesやClinical Picturesという一発ものもあります。)

 読むのはこの順でOKですが、この順に書くのが実に難しい!じゃあ、どこから手をつけるか?読み手の気持ちになって、こう考えてみましょう。

 皆さんは論文を読むときに、どういう順番で読みますか?

 普通はTitle→Abstractと読んで、興味を持ったら本文を読みますよね。なので、Title, Abstractは最後にしっかりと時間をかけて推敲する必要があります。

 では本文では、どこを読みますか?

 TableとFigureではないでしょうか。そのため、TableとFigureからつくるのをお勧めしています。

TableとFigureだけで分かるように作り込もう!

 Tableは表、Figureは図(チャートや写真含む)のことです。Table titleとTableを見ただけで理解できるような作り込み、Figure titleとFigureを見ただけで、理解できるような作り込みが必要です。

 作り込むといっても情報量をできるだけ盛り込むのではなく、出来るだけシンプルに伝わるように書く!―そう、引き算の発想が大事です。

 学会発表などで、もの凄い分量の図表で「Busyな図で申し訳ありません…」という前置きで発表する人がいますが、謝るくらいないならわかりやすい図をつくって来い!と言いたくなります。

 論文を書くときに、まずTableとFigureを並べて、80%程度の内容が伝わるようにできれば、その後はかなり簡単に書き進められるようになります。

NEJM Clinical Practice

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トップジャーナルの症例集で学ぶ医学英語 ~ 医学英語シリーズ1 (医学英語シリーズ 1)

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 NEJMやThe Lancetの図をよくみて、そちらに準じて作ってみましょう。そのためか、文句を言われることは少ないです(こういう目で論文を見ていると面白くなってくると思います)。

あえて文字に起こすと、、

 ◆Tableのポイント

 ・フォントは統一

 ・文字サイズも統一

 ・行が長くなるときは色分け

 ・表の中の線は省く

 ・中心揃え

 

 今回のポイントのおさらいです。

 ・TitleとAbstractは最後にじっくり推敲重ねて!

 ・Table、Figureを作り込む。

 ⇒Table、Figureだけでストーリーが伝わるように!

(m3参照)