論文を書くには その6
論文の執筆において、Discussion部分は見解を述べるコンテンツです。そのため、他の部分に比べて自由度が高いでしょう。とはいえ、やはり、Discussion部分においても相応の型があります。
<論文のDiscussion部分における代表的な型5つ>
1. この論文のすごいところ(初めてのところ)を提示
2. これまでの論文では・・・と、自身の論文に肯定的な意見や論文を引用
3. これまでの論文では・・・と、逆に反対意見や異なる箇所がある論文を引用
4. この論文での限界を述べる (limitation)
5. 結論を書く(シンプルなメッセージでOK)
じつはDiscussion部分は多彩です。というのも、指導医や査読者に、追加を指摘される事があるからです。
ただ、上記5つの型は、どの論文でも書いてあることが多いので、基本の骨格として覚えておくと論文がスムーズに書きやすくなるのは間違いないでしょう。
そうなるとやはり、先行文献をよく知っておく必要があるので、論文執筆に勉強は欠かせません。また、Discussionで大風呂敷を広げている論文をしばしば見かけますが、世界基準でみると大げさにみせるのが作法なのかもしれません。
Introductionでは、総論や先行研究を引用して、大まかに解説するのがトレンドです。そして、不明瞭な部分の問題を提示し、「この論文では〇〇の部分を明らかにするために研究を行った」と示すのが定番です。
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ある先生が言うには、「Introductionの最後を見て、論文を読むかどうか決める」のだそうです。確かに、Introductionの締めを読むことで、何についての論文かを瞬時に把握できます。設問が興味深ければ、興味引かれる論文になると言えるでしょう。
Introductionの執筆において、以下のポイントを抑えておくことをおすすめしています。
1) Introductionの問いとDiscussionの答えを対応させる
2) Introductionで書いたことをDiscussionで繰り返す必要はない
あとは、指導医と査読者の意見を取り入れることで、より魅力的なIntroductionとなるでしょう。
今回のまとめ
1) Discussionは5つの型がある
2) 実践では型+αが必要
3) IntroductionとDiscussionはQ & Aで対応するとよい
(m3参照)